石井飛鳥 大廻天カルペディエム

その瞬間を愉しもー!

Nikon Z 8を3ヶ月使った結果 その3 総合レビュー編

圧倒的な描写力を前提とした、敏捷さがもたらす、確信。

Z8の実際の使用感デビューでございます!
ついに総合編!

ishiiasuka.hatenablog.com

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一眼レフ並みの安定感と、ミラーレスの敏捷さを融合した、2023年における最高のカメラと思います!

◎連綿と続くF100の遺伝子たちよ

Nikon Z 8

Nikonのリトルフラッグシップの系譜ってあると思うんですよ。
フラッグシップの良いところを搭載しつつ軽量化、安価にしたバランスの良い機種たち。
F100、D200-300系D700、D800系とかの、フラグシップじゃないのに四つ葉とか三つ葉ボタンを備えた機種。
このへんて、歴史から見ると、性能も耐久性も10年使えるんだよね。
D4sとD810が来年10周年!ぜんぜん今でも使えるでしょ!?
Z 8は53万円、10年使うと年/5万3千円、日/145円。さあ!ご唱和ください!せーの!実質無料! ←?
それからニコンは3機種目で完成というのを繰り返しているなと思っていて、

F → F2 → F3 F3はマニュアル機の最高峰じゃない!?
D1 → D2 → D3 D3でデジタルの素地が完成した感あったよね!?

それでZに当てはめると、

Z6/Z7 → Z6Ⅱ/Z7Ⅱ → Z9登場!

Z9でミラーレスの完成を見た。
Z9に対するZ8と言うのはD3系に対するD700(2008年)のポジションで、あれもかなり長いこと一線で使われていたなーと。
そう思うと間違いなくZ8は買いだと思うのです。D700からD800/D600まで4年かかってるし。
それから、同機種で言うと1号機が出た2年後に2号機、そこから3号機はかなり時間がかかる、という印象です。

D600(2012)→D750(2014)→D780(2020)
D800(2012)→D810(2014)→D850(2017)

なので、Z6Ⅲは早くても2024年以降なのではないか、と今年の前半から思っておりました!

そしてZ6Ⅲがとても良ければ、Z8を売って買い替えても良い。
つまり今Z8を手元に置いておくのが結果的に一番最高性能で出費が少ないんですねー!(ほんとかよ!?)

◎重さをいろんな機種と

オフィシャルサイトから拝借

ええー!?めっちゃ軽いじゃん!?
実際使っていてもかるーい!
と思っていたのですが、

確かにD850よりは軽いものの……

D780 840g
D610 850g
D300s 840g
D500 860g

うおぉいっ!ここらへんのレフより重いんかーい!?
しかし、ミラーレス化したことにより、レンズが軽い傾向にあります。
なんか、Z8が軽い気がしていたのですがZレンズのお陰かも。それから、重さよりも大きさのほうが実際に使用する時は影響が大きいのかもしれない。
F3が軽いし小さいし、AFいらんからあの重さにしてくれ、なんて思っていた事もあったのですが、あいつ実は760gもありました。重さよりサイズのほうが持ち歩きに影響するかも。あ、Zfが欲しいです(欲しい)。

◎4500万画素の有用性

モエレ沼

4500万画素とかいるかよ!?
そう思っていた時期が私にもありました。
しかしその真価はDXクロップを併用した時。
DXでも約2000万画素で撮れます。
それってほぼ何にでも使える画素数じゃない?
手ごろなファンクションボタンに「DX切り替え」を設定しておきます。
そうすると、

Z 24-120 f/4が実質24-180 f/4に!

単焦点では

24mmが35mmを包括、35mmは50mmを包括、50mmは75mmに、58mmが85mmに、f値を同じままボタン一つで変えられる使用感になります!

テレコン内蔵のZ 400mm f/2.8とか、400mm〜860mmをカバーする感じになっちゃいます。
全てのレンズに1.5倍の内蔵テレコンが装備された感じに。え、やっぱり実質無料じゃん!?

◎本体重量と敏捷さは違う、とにかく軽快!


www.youtube.com

Z8で撮影。写真を繋げて動画のように見せる実験。

シャッターチャンスを逃さないためには常に携行できた方が良い、軽くて小さいほうが良いということになります。
しかし、いざ臨場した場合、携行性と軽快さは完全に別の要素だなと。
Z6と比べるとZ8のほうが"軽快"に撮影できます。重さはZ8のほうがあるのに!
例えば写真を撮る時って、10秒間のうちに100点のシャッターチャンスが2回、95点のチャンスが2回あったとして、そのうち95点以上を1回撮る、ということを狙うわけだと思うのですが(非常にざっくりとした例えです!)、なんかZ8だと100点2回とついでに95点2回も撮れちゃうなーと。(あくまで例え話です!)

恐らくこれがZ9とZ8の最大の長所だと思う。
出力の最大値は変わらないけど軽快に撮れちゃう。
"総合力"、と言ってしまえばそれまでなのですが、一応レビュー記事なので要素で補足してみます!

メカシャッターレスとブラックアウトフリー

シャッターがないこと自体には完全に慣れてしまいました。全く問題ないです!

えと、それで軽快さの要因としてメカシャッターレスとブラックアウトフリーの存在はかなり大きいなと。
シャッターを押した瞬間に、暗転もブレも食らわずに被写体をファインダーで見続けられるので、次の"瞬間"を探し続けられる、結果、次のシャッターチャンスを見つけられるのが速い。
ファインダーそのものも、EVFであるということを忘れて撮れるほどの使用感です。

4軸チルト

(上下左右って2軸では……?)

カメラ位置が高低に関わらず、縦構図でも横構図でもファインダーが見られる、という素晴らしい機構ですが、実際に使ってみて不思議な使用感があることが分かりました。
それは、ファインダーを覗いていなくても構図が分かる!
自分はシャッターチャンスを逃さないために、ファインダー外の要素を見るため、ノーファインダーで撮ることが多々あります。
スナップに限らず、人物撮影でも全体を見たほうがモデルの空気が分かりますし、次に起きることが予想しやすいです。
そんな時、4軸チルトだと、なんとなく視界の端にモニターを置いておけて。
ファインダー見つつ左目で撮る技の逆パターン、みたいな。
全体の状況と構図を同時に把握する方法が増えました!

レリーズの速度

”見る”ための性能が良くてもレリーズできなければ意味がない。
秒120コマ連射できる、というのは連射速度そのものよりも、通常の撮影時にレリーズに余裕があるということに意味がある気がします。
状況によってラグが増えたり、バッファが詰まったり、そんな心配がなく次々と確実にシャッターが切れます。
なんか、ミドルクラス以上では当たり前の機能だと思っていたのですが、デジタルが進行するほど甘えた機械が増えている気がしますね。なんなの!?

シャッターを押してから実際に記録されるレリーズタイムラグについてはメカシャッターがないことによって、ええと、感覚が違うのでちょっとよく分からないです(おい)。EVFで見るなら体感で55msぐらい?(超適当なこと言ってます!)。Zfc、あれはかなり速い気がするけど、あれで撮る時は実像見てるな。
※狙ったタイミングで撮れないかというとそんなことはないのでご安心ください。

グリップ、重量バランス、ボタン位置

撮影中に、重くない!
D600/D750系より重いはずなのに、使用感としては軽い感じがします。
グリップ以外のボディの厚さが一眼レフに比べてかなり薄いので、重心が右手側にあるため軽く感じるのだと思います。
これ、お店のデモ機を持ち上げてみるぐらいだと気付きにくいかも〜!

Nikon Z 8の気になる点

モエレ沼周辺

唯一、気になったのが発熱が大きいところ。
シャッター半押しで構え続けるような撮影がしばらく(30分以上とか)続くとそこそこ底面が熱くなります。
画面に温度警告も出ますが、熱停止したことはないので機材的には放っておいて大丈夫そうです。
持てないほどではないのですが気持ち悪いので自分はそういう撮影の時は底面を覆うタイプのアルカスイスプレートを付けてしまうことにしました。
スモールリグのこれ。

◎その他の機能と他に買ったものなど。

モデルは紅日毬子

その他いろいろ各機能など。

スターライトビュー

これ、便利です!
モニターのゲインをMAXにして暗くても見えるようにするモード。
どこかのファンクションに仕込んで一発で変えられるようにしておくといい。
懐中電灯の代わりになります!(おい)

バッテリー

撮影枚数よりも使用時間の影響の大きいバッテリー持ち。
自分の場合は4時間ぐらいのスタジオなら1本未満、2時間の舞台やライブなら1本ちょうどぐらい、モデルを連れての森とかでの1日撮影でも2本あれば余裕で足りる感じ。(※ただし2台以上のボディを併用していることが多いです)。ほとんどの人は2本あれば余裕、3本あれば12時間とかの連続撮影でも耐えられるんじゃないかな?

まあ、どのカメラでも電池1本しか持っていないと充電中に何もできないので、最低でももう1本は持っておくのがおすすめです。

互換品はすぐ劣化するのでニコンのやつにしましょう。

プリキャプチャ

1秒前までの過去に遡って最大120枚の写真が撮れる恐ろしい機能。
逆に撮れた写真を編集すれば過去を変えられるのでは?(なんの話だ?)

便利なタイミングはきっとあるのでしょうがまだそれはない。笑
お試しした感じでは、120コマ撮っちゃうと多すぎてカオス、30コマだと撮影対象によっては決定打に欠けそう。よく使う人は自分の撮るものに合わせてコマ数、秒数、そしてシャッターを押した後の撮影秒数を制限すると使いやすくなると思われます。

HEIF

これHEIFというよりも、HLGという概念で考えたほうが良さそう。
HLGに設定すると、jpg(8bit)がHEIF(10bit)に、RAWではハイライトとシャドーを出来る限り灰色の領域に納めるガンマカーブで記録します。
RAWのダイナミックレンジそのものが増えるわけではないらしいので、RAWで撮ってねむく編集してHEIFで書き出したら同じことができるということ……?
再生環境が限られていること、プリントに再現できるのか分からないこと、などから保留中。

液晶保護カバー

製品として発売する時にカバーが必要ならば付属するはず、もし、カバーが必要なのに付属していないとしたら、それは完成品ではない!という信念の下に中野のフジヤさんに「カバーって要りますか?」と質問したところ「売るなら付けておいたほうがいいですね〜」とのこと。う、なるほど。素材はフィルムよりもガラスのものが視認性を損なわず良いそうです。

gramasを付けました。

他だとガラスの扱いに慣れてるKenkoのやつとか良さそう。

 

◎まとめ 敏捷さがもたらす、確信。

モデルは天宮来来来

Nikon Z 8を3ヶ月間使ってきたわけですがかなり良いです!
懸念点であった重さも、撮影中は気にならないものでした。
特に一番の強みは、さまざまな機構によって得られるその撮影の軽快さ。
シャッターチャンスを見つけること、シャッターを切ることに俊敏に対応します。
まさに、敏捷さがもたらす、確信

実際の使用感を重視したレビューを目指して記述しました。
あえて客観よりも主観を大事に、Z8を使っている一人の人間の実際の感想となっております。
スペックや機能のみではない、この機材、実際に使うとこんな感じ!というのが伝わればいいなと思います。
誰かの購入や使い方の一助になれば幸いです!


Carpe diem🍺 Memento mori💕